東金砂神社に田楽が伝承されている。旧正月三日に薬師堂で五穀豊穣と浜大漁を祈願して奉奏されるもので、この祭を一名「嵐除祭」と称している。
東金砂神社に継承されている演目は「四方固」「巫女舞」「獅子舞」「三鬼舞」の四段。
年占行事
田楽の開始前に水木浜講中代表と、地元氏子代表とが東西に分かれ、生木の樫棒で薬師堂の羽目板を打ち抜く競争である。
「東西の申し合わせ」と二回打ち鳴らされる拍子木を合図に、西が早かった時は岡万作、東が早かった時は浜大漁。
「四方固」
四方固めは,天孫降臨の故事に因んで行われるもので,装束をつけ, 猿田彦命の面を冠り,太刀,柄太刀,矛,筥祓を順次に持って四方を固め, 天下泰平を祈る。
「獅子舞」
獅子舞は,獅子を以て荒れ狂う神を表し,笑いの面を以て御祭神大国主命を表し,御神徳によって荒振る神を平定した古事に倣ったものであるといわれている。
また,獅子舞は,姿勢を低くして床をはうような形で行われることから,稲の害虫を獅子が食べて駆除し,豊作を祈る。
「巫女舞」
巫女舞は,前段において荒振る神を平定した後,神慮を慰め奉る舞である。白衣を着て白足袋をは,緋の単衣を着た上に舞衣を着る。
巫女の面を冠り,垂髪をつける。両手には,胸高に神楽鈴を持つが,この神楽鈴は獅子舞のときと同じもので,頭には天冠 を冠る。
「三鬼舞」
三鬼舞は,赤,黒,青色の装束を着け白足袋をはき,赤,黒,青色の鬼の面を冠り,赤鬼は金棒,黒鬼は斧,青鬼は松明を持って行う。